吉野川が育む悠久の森


杉の銘木“吉野杉”とは、川上村、東吉野村、黒滝村の三つの村に限られています。

三村の平均標高600~1600m。まれに見る急峻な山々が連なる山岳地。

またこの三村は、東南部に吉野川の源流域大台ケ原を主峰とする台高山脈、西南部には全国に名高い修験者の本拠地、大峰山系、山上ガ岳の山々がそびえる。これらの山々によって吉野は台風などの自然災害を受けにくい地形にあるといわれています。

平均気温14℃、積雪量30cm以下、年間降雨量は日本最大の降雨地、大台ケ原を控えていることから、2000mm以上の多雨地域。急斜面値に降った雨は、樹木と保水性・透水性に富んだ秩父古生層と植質土壌によって蓄えられ、やがて谷筋を流れ、集まって渓流となり、全て吉野川に注ぎます。

 

―― 暑さと寒さのバランスが良く、雨が多く、積雪が少ない…といった気候や、地形、土壌成分が大木の森林をつくるのに最適な環境だったのです。

 

 

吉野林業の歴史

吉野は古くから、松、杉、檜、樅、栂、朴、榎などの原生林に恵まれ、吉野川下流の大和平野や畿内の神社・仏閣の建設や、平安・平城京などの都づくりに利用されていました。

豊臣秀吉の時代になって、特に大阪城や伏見城などの巨大城閣用材に使われ始め、その結果、大規模な範囲で原生林が失われることになり、そうした原生林の伐採の跡地に、杉を植えたのが吉野杉人工林の始まりであるといわれています。

 

―― 500年も前にすでに人工林の育林が始まっていたのです。

 

県の調査によると、川上村には江戸時代初期に植えられた、樹齢380年の下多古村有林を筆頭に、300年生前後の人工林が残り、150年以上の杉林がおそらく140ha近くあるといいます。

吉野では、120年以上たった杉を選木と呼び、銘木というには150年以上の樹齢が必要とされております。

他の林業地域では信じられないような長伐採期の育林を目指してきたのです。

 

 

吉野銘木の特徴

密植 1ヘクタールあたり、8000本~12000本という、高密度の植栽を行うことで木と木の間が狭くなり、日が当たらなくなります。すると、枝が伸びても、日照不足で枯れて腐って落ち、枝の節を残さず良い材木に育ちます。 

密植でしばらく育てると、木の上部だけに枝がついた林になります。

そこで、半分くらいを切り倒します。間隔が広がり過ぎると枝が生えてしまうので、間伐する時期を決めるのは重要な判断。

上部の枝だけで木を太らせる事で、無節で太い材木を育てるのです。

枝打ち 外形を丸く、芯を中心にした真円に近い形状になり、まっすぐに伸びる木筋が良い木材になります。 

早い段階で枝跡(節)が内部に取り込まれる為、節の少ない素直な美しい材を取る事が可能になります。

間伐 良質な材を優先して育成していけるように、積極的に間引きをしていきます。 

ここで重要な のは、元気な木を残すのではなく、弱い木を残すということ。元気な木は成長が早かった分だけ、木目が粗く、何度も枝を伸ばしては枯れて落としてを
繰り返して来た分だけ、節の痕跡も消えずに残っている可能性が高いのです。

弱い木は太る余地があるという事。それだけ、節を消せる余地があるという事に。

3~4本/坪に密植された苗木が、間伐を繰り返され、数十年を経て1本当たり30坪の土地を占めることになります。

 

 

木にこだわる木器工房アップルジャックでは、

吉野の森の中核、川上村の名に恥じない最高の木材を使った木工品を作っております。

 

 

 

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